転職成功者インタビュー

旭光精工株式会社
伊藤匡史さん(仮名・電気回路設計) 30歳

地元で家族を大切にする暮らしを実現。子育てに理解があり、仕事も面白い会社と出会えた。

豊川市出身の伊藤さん。大学では工学部で電気電子工学を専攻し、大学院にも進学。半導体の材料について研究をしていた。就職活動を始めたものの、スタートが遅かったために8割の会社の応募期限が過ぎていたという。それゆえ「実家から割と近くて入りやすいから」という理由で、浜松市の電気部品の製造会社に入社。

しかし、次第に機器のハード面とソフト面、両方の設計をするという仕事内容に魅力を感じるように。その後、一度転職したものの、いつかは地元豊川へ戻りたいという想いを抱きながら浜松で働き続けた。そして子どもを授かったタイミングで、地元豊川に戻ることを決意。子育て中心の暮らしを実現するため、残業が少ない会社へ転職した。

今では「結婚していなければずっと仕事していたい」と思うほど、仕事内容にも魅力を感じているそう。そんな伊藤さんの転職活動について、詳しく伺った。

※本記事の内容は、2022年11月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで94日間

転職前

業種
医療機器業界
職種
電気回路設計職・制御ソフト設計職
業務内容
医療用手術機器の設計

転職後

業種
自動化省力化機器の設計・製作・最終据え付け並びに、オフィス機器(製本機・ブックスキャナー等)の製造・販売
職種
電気回路設計職
業務内容
OA機器の電気回路設計

転職先の裏も表も知っている、そんな転職支援会社がいいと思った。

現在のお仕事はどんな内容ですか? 

私が勤務している旭光精工は、プリンターなどのオフィス機器や医療機器の製造開発、販売をしている会社です。私は技術部の技術課に所属し、電気関係の設計・開発の仕事をしています。

製品にどのようなスイッチやハーネスを使うかといったハード面と、製品の内部にあたるマイコンやPLCに、どのようなプログラムをのせるかといったソフト面、両方の設計をしています。

現在実際に携わっているのは、医療機器。総合病院などの大きな病院では、処方された薬が大量に返って来てしまうことがよくあるのですが、その薬を自動で仕分ける装置を担当しています。

勤務先は豊川市ですが、自宅はまだ引っ越していないため静岡県浜松市にあり、毎日車で1時間半ぐらいかけて通っています。

入社前のご経歴を教えてください。

豊川市出身で、大学卒業後、新卒で入社したのは静岡県浜松市にある特殊な電気部品を製造・販売している会社でした。扱っていたのはプリンターの内部にあるローラーや電線、医療用カテーテルなど、フッ素シリコンなどで特殊な加工を施す電気部品。

開発技術部に所属し、主にレーザー製品の開発をしていました。レーザーは専門性が高く、指示をするのが難しいので、その時からハード面とソフト面、両方の開発に携わるようになりました。

その会社には4〜5年勤務しましたが、残業が多くて日をまたいで帰る日も少なくなく、しかもサービス残業も多かったため転職しました。

次の会社でも、やはり製品のハード面ソフト面、両方の開発・設計をしていました。職場は両社とも浜松市だったので、大学を卒業してからずっと浜松に住んでいました。

転職のきっかけは?

一番大きな理由は、結婚して子どもに恵まれたことです。結婚相手も豊川市出身なので、「いつか地元に戻って家を建てたいね」と話をしていました。

その後子どもを授かったのですが、豊川市に戻るなら子どもが幼稚園に入る前がいいと思い、転職しようと決意しました。転園させるのは大変ですからね。現在はまだ浜松市に住んでいるのですが、近々豊川市に移ろうと思っています。

妻は今育休中で、子どもが1歳になったら職場に復帰する予定です。私たち夫婦は、子育ては夫婦で半分ずつ分担しようという考え方。私の仕事と妻の昼間の保育を等しいものと考えて、それ以外のこと、赤ちゃんのミルクやお風呂、洗濯、ご飯作りなどを1日交代でやっています。

だから、今は仕事に時間をあまりかけられないと思い、もし給料が下がっても、定時退社できる会社に移りたいと思いました。

転職活動はどのように進めましたか?

始めは有名な転職支援サイト、3つほどに登録しました。その中の1つを経由し、今回担当してくださったコンサルタントの花木さんから連絡がありました。リージョナルキャリア愛知(株式会社リンク・アンビション)を利用した理由は、地方に特化している会社の方が、転職先の会社のリアルな事情を知っているのではないか、と思ったからです。

前回の転職は大手の転職支援サイト経由でした。企業理念に「医療関係の製品を作っているから社員も大切にする」という記載があり、表向きには残業が少ないと言っていましたが、実際に入ってみると残業はそれなりにあって。外に向けたものと実態は結構違うんだなと思いました。

だから、地元に根付いている転職支援会社の方が、会社の裏も表も知っていて、リアルな話が聞けるかなと思ったんです。花木さんはすごく人間っぽくて(笑)、正直なところがすごくよかったです。良いところも悪いところもはっきりと言ってくださったので、信用できました。

例えば、私はハード面とソフト面という幅広い知識を身に付けてきたのですが、回路設計者の求人を受けたいと言うと「その会社は回路に特化した人を求めているからあまりフィットしないかも」と、私では気づけなかった点を正直に言ってくださいました。

資料だけでは分かりにくいことも教えてくださり、非常に助かりましたね。それから、感覚的なことですが、話しやすくて人柄も素敵でした。

今の会社に決めたポイントは?

まず豊川市で働けるということ。これが一番重要でした。今後豊川市に引っ越す予定なので、家で何かあったらすぐに戻れる場所で仕事したいと思っていました。

それから、残業時間が少ないこと。入社して一年経ちますが、事前に聞いていた通り残業は少なく、ほぼゼロです。

さらに、自分が今までやってきた仕事と同じ、製品のハード面とソフト面、両方の設計ができること。どちらか一つに特化するのではなく、幅広く見る方が自分に向いていますし、今まで培ってきた知識も活かせると思いました。

本当に定時で帰れる毎日。そして想像以上に仕事が面白い。

転職していかがですか?

まず仕事がとても面白いです。前職の仕事は大体できるようになっていたので、「新しい環境に身を置いた方がいいな」と思っていたところもありました。今は経験のない業務を任せてもらえるので、非常に楽しいです。もし結婚していなかったらずっと仕事しているだろうなと思うほど、意欲的に取り組んでいます。

前職と扱っている製品は違いますが、基礎は同じこともあり、応用できていると思います。ハード面とソフト面、両方を扱っているところなどは、前職での知識や経験が活かせていますね。

今は子どもが小さく、家で過ごす時間をメインにしてほしいという要望がありますが、今後子どもに時間が取られないようになったら、もっと仕事に力を入れたいと思います。

転職して良かったと思うことは?

いくつかありますが、子育てにすごく理解のある職場だという点が良かったです。入社後半年くらいで子どもが生まれたのですが、会社の先輩には子どもがいる方が多いこともあり、配慮してもらえていると感じます。

私の仕事量は上司の割り振り次第で決まるのですが、調整して仕事を振ってくれます。「定時で帰ってください」と言ってくれる人もいますし、言わなくても仕事の振り方で示してくれる人もいて、みんな温かいですね。

妻は今育休中ですが、仕事復帰後、託児所は今の妻の職場で利用するか、それとも転職するか、といったことを話し合っているところです。

会社には男性でも育休をとっている人がいたり、子育て関係の有給が取れたりと、制度が整っているので、この会社に所属しながら夫婦で子どもを育てていく展望が見えています。

困っていることや課題はありますか?

困っていることはほとんどないのですが、私は大学院を卒業しているので、すごく優秀に見られてしまっていることに少し戸惑っています。「優秀だからできるよね」「昇進を楽しみにしてるよ」などと言われたりすることが、少しプレッシャーになることがありますね(笑)。

会社の平均年齢は48歳と若い人が少ないため、期待されているのだと思います。頑張りたいと思います。

給料に関しては、今は家に居る時間を作ってほしいと妻から言われているのですが、もし本腰を入れて仕事ができるようになった際には昇給すると嬉しいな、と思います。

生活面の変化はありましたか?

転職後に子どもが生まれたので、そういう意味では生活が変わりましたが、自宅はまだ引っ越しておらず、転職前と変わらず浜松に住んでいるので、基本的な生活は変わっていません。

しかし、残業はほとんどなくなり、毎日17時半の定時に上がれるようになりました。通勤時間は1時間半と長いですが、19時頃には家に帰れます。

子どもが寝る20時まで1時間ほどあるので、その間にミルクをあげたり、お風呂に入ったり、寝かしつけをしたり。子育てに携われるのは幸せだと感じます。早く豊川市に引っ越して、もう少し子どもと過ごす時間を増やしたいですね。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私は今までに2回転職活動をして、転職コンサルタントとやり取りをしてきました。そこで思うのは、もし希望するエリアや業界が決まっているのなら、そのエリアや業界に特化した転職支援会社を利用した方がいいということ。

担当者にもよりますが、個人的には全国向けの会社と地元に特化した会社とでは、かなり対応が違うと感じました。

全国向けで規模が大きい会社は、事務的で機械的な対応が多かった気がします。地方に特化した会社の方が対応が細やかでした。非常に親身になってくれましたし、会社の事情も知っているので、心強いと感じます。

それから、担当コンサルタントとの相性はすごく大事です。今回担当していただいた花木さんはとても信頼できましたが、以前利用していたサイトでは、合わないからと担当者を変えてもらったことがありました。

もし変えてほしいと思った時は、転職支援会社にとっても決してマイナスにはならないので、我慢せずにはっきりと変更希望を伝え、相性の良い担当者に出会うことも転職の成功のポイントだと思います。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
花木 晃

面談の際には、転職をするというお気持ちはすでに決まっており、「今後子どもが生まれた場合、どのような生活を送っていきたいか?」ということを軸に考えられていました。そのため、「奥さまにはこの内容で納得いただけるか?」「伊藤さん自身の目指す生活に沿った転職活動となっているのか?」ということを一番に考えて進めていきました。

前職は拘束時間が長かったこともあり、「子どもが生まれた場合、しっかりとワークライフバランスを維持できるか」ということも、今後の生活を考えた上では重要なポイントでした。将来を見据えた上での勤務地や働き方など、ご納得いただける転職となったかと存じます。

伊藤さんとは現在もプライベートで定期的に連絡を取っており、「子どもがうまれた際には、旭光精工社にいろいろと働き方を考慮してもらえた」とのお話を伺っています。今後もますますのご活躍を楽しみにしております。

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