転職成功者インタビュー

ヤマザキマザック株式会社
澤井大樹さん(仮名・知的財産) 34歳

市場価値を知りたくて始めた転職活動。焦らず納得のいく形でキャリアチェンジに成功!

名古屋大学で化学を専攻していた澤井さんは、新卒では化学とは関係のない仕事に就職。しかし、「やはり化学の道へ進みたい」と大学院で学び直して大手の自動車部品メーカーへ就職し、新商品開発などで専門知識を活かして働いていた。

そこで働くうちに、仕事に不満はないものの「自分の持っている技術が一般に通用するものなのか」「自分にはどのくらい市場価値があるのかを試したい」と考えるようになり転職活動を開始。

そして転職活動を通じて特許などを取り扱う知的財産の仕事と出会う。実務経験はなかったものの、個人で資格を取得するほど興味のある分野だったという。入社後は毎日が勉強で、常に知識が増えていくことに喜びを感じているという澤井さんに、転職活動を振り返ってもらった。

※本記事の内容は、2023年12月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで56日間

転職前

業種
自動車部品メーカー
職種
新製品開発
業務内容
新製品開発として、選定から構造設計、製品化システムテストなど幅広く従事。

転職後

業種
工作機械メーカー
職種
知的財産・開発
業務内容
開発部門の知的財産担当として、製品特許を担当。

「いい求人があればいいな」くらいの気持ちで始めた転職活動。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

私が勤めるヤマザキマザック株式会社は、工作機械を製造・販売するメーカー。CNC旋盤やレーザ加工機など、様々な金属加工ができる機械の製造を主軸としており、幅広い製品レンジ展開が自慢です。

いわゆるB to Bのビジネスを展開しており、自動車会社をはじめ、飛行機や医療機器など世界中のメーカーと取引しています。機械は大型のものから小型のものまであり、グレードも様々。工作機械の売上では、世界でも長年トップクラスに位置しています。

本社は愛知県丹羽郡大口町にあり、私は「技術品質管理部 知的財産グループ」に在籍して2ヶ月になります。仕事内容は、自社で新しい技術が発明された時に「特許権」を出願するほか、「実用新案権」「商標権」「著作権」などを出願・申請し、会社の知的財産として権利を守ること。

特許というのは申請に1〜2ヶ月、取得までに1〜2年かかるのですが、法律を確認して文書を作り手続きを行うほか、他社の特許を侵害していないかの調査などもしています。

入社前のご経歴を教えてください。

愛知県の出身で名古屋大学の化学系の学部出身なのですが、卒業後に一度、エンジニアの派遣会社へ入社しました。そして、大学で学んだこととあまり関係ない、某重工業メーカーで航空機の生産技術を最適化するという仕事をしていました。

しかし、二年ほど経った頃、「やはり化学の道へ進みたい」と思い、大学院へ戻ることに。そして卒業後、今度は学んだことを活かせる自動車部品メーカーに入社しました。はじめは生産技術に従事し、その後は新商品の開発と営業活動担当などを兼務。合計7年半ほど勤務しました。

転職のきっかけは?

転職した当時は、勤務していた会社に大きな不満はありませんでした。しかし、その会社が持っている技術というのは、社内で開発された内々の技術ばかりだったので、「他の会社でもこれが最も適した技術なのか」「自分には一般的に通用する技術が身についているのだろうか」と考えるようになりました。

そして今の自分にどのくらいの価値があるのか知りたくなったんです。だから自分の市場価値を測るために、転職活動をしてみようと思いました。

また、今まで二つの会社に勤務した経験があるのですが、一度就職して、その後大学院に戻ってからまた新卒として採用されたので、転職経験がありませんでした。そのため、「自分にもできるんだ」という自信をつけたかったというのもあります。

そんな風に“なんとなく”始めた転職活動だったのですが、今回自分の条件にドンピシャな会社を見つけたので、「これは!」と思って転職に踏み切りました。

転職活動はどのように進めましたか?

まず、某転職サイトに登録しました。希望業種は化学系と機械系に加えて情報系など、自分が経験してきた領域に加え、経験はないけれど興味があることまで、幅広く設定しました。

はじめはスカウトメールが何通か来るのを見て、「こんな感じか」と思いながら、結局一年ほどゆるやかに活動していました。

そんな中、スカウトメールの一通に現職の求人が載っていました。知的財産という仕事は新商品開発をしていた前職で少し触れたことがあり、趣味で個人資格を持っていたので、興味がありました。

そこで、メールを送ってくれた「リージョナルキャリア愛知(株式会社リンク・アンビション)」のコンサルタントである荒井さんにコンタクトを取りました。

Web面談していただき、詳細を聞いて、「ぜひ書類審査に進ませてください」とお願いしました。その後、部署の担当者と役員、2回の面接を経て内定をもらいました。

ちなみに、「給与は下げたくない」など条件面で自身の要望をいくつか持っていたのですが、私からは直接言いづらいことも荒井さんを通して先方人事に伝えていただけたので、とても助かりました。

その時には給与は上がらなかったのですが、しっかり自分の気持ちを伝えられたので納得できましたし、最終的には会社全体でベースアップがあり、結果自分の給与も上がったので良かったです。

そのほかワークライフバランス面はどうかなど、会社の細かい点までしっかりと話ができたので、荒井さんには本当に感謝しています。

今の会社に決めたポイントは?

総合的な条件が揃っていたことです。知的財産という興味がある新しい仕事内容。勤務地は元々住んでいたところに近い愛知県江南市。そして、もしかしたら給与も上がるかもしれない。そんな要素が揃っていたので、チャレンジする価値があると思いました。

それに加え、ヤマザキマザックという地元で知名度の高い会社だったことも大きいですね。安心感がありました。

また、知的財産という新しい仕事にチャレンジする中で、5年後、10年後の自分の姿を想像しやすかったのもポイントです。

弁理士という国家資格など、もっと上位の資格を目指して、どんどん新しい知識を身につけて学びながら働けるイメージを持てました。仕事内容は多岐にわたるので、視野を広く持てるところも気に入っています。

特許に関する新しい知識を毎日習得し、成長を実感する日々。

転職していかがですか?

非常に満足しています。興味があった特許について毎日勉強をしながら仕事しているので、楽しいですね。

会社は大きい企業ながら小回りがきく印象。誰とでも話がしやすい雰囲気です。前職では大手自動車メーカーの系列だったので、安定している部分も多かったですが、よくも悪くも変化しにくかったのかなと感じます。

職場環境も非常に良く、私は運が良かったと思っています。同じ部署には9人在籍しているのですが、サポートが手厚く、わからないことはどんどん教えてくれますし、話しやすい。前向きなのもいいですね。

特にリーダーは、私に期待していることを明確に伝えてくれるので、非常にやりやすいです。こちらも期待に応えられるように頑張ろうと思っています!

転職して良かったと思うことは?

今回、生産技術や新商品開発から、知的財産という全く別ジャンルの職種へキャリアチェンジしたので、「大変じゃないですか?」と聞かれることがあります。しかし私はもともと、新しいことにどんどん挑戦して、できることを増やしていきたいタイプ。新しいことをやり続けたい性分なんだと思います。

新しくできることが増えると、成長していると実感できて楽しい。だから前職などで触れたバックグラウンドが多少あって、どんどん知識を蓄えることが仕事である知的財産にぴったりハマったのだと思います。

退社時間については、前職でも特に問題はなかったのですが、今の会社でも周りの方を見ていると19時前くらいには退社できています。全体的にワークライフバランスが取れていると感じますね。

困っていることや課題はありますか?

困っていることは今のところあまりないですが、びっくりしたことは服装規定があること。ズボンは黒か紺、上は作業用のユニフォームかワイシャツというスタイルで出社するというルールがあります。

しかし決して厳しいわけではないですよ。私個人はユニフォームよりしっくりくるため、ワイシャツを着ています。

また中途採用の方については、私と同じタイミングに入社した方も数名居ました。誰が中途で誰が新卒、という区別は全然ないですね。派閥なども感じられず、社内は和やかな雰囲気ですよ。

生活面の変化はありましたか?

現在は会社の近くに住んでいて、以前の住まいからは引っ越しましたが、基本的な生活は前職の時と変わっていません。転職する際の条件として、生活を変えないことも希望していたので、それも叶えることができました。

というのも、私の趣味は草野球。前職の時も週末になれば地元に戻り、仲間と一緒に楽しい時間を過ごしてきました。大切なチームなので、仕事を理由に離れたくはなかったですね。転職した今も変わらず草野球に参加できることに幸せを感じています。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職活動は、ゆるく長く続けて、自分が本当に希望する条件に合致する仕事が出てくるのを待つ、というのも一つの手だと思います。

それから設定する条件ですが、譲れない条件というのはもちろんあっていいと思います。しかし、こだわりすぎるのは良くないかもしれません。選択肢を減らしてしまうというのは、自分の可能性に蓋をしてしまうことになります。

私は希望業種について、経験のある分野だけでなく、経験はないけれど興味がある分野も設定していました。だから自分が新しくチャレンジできる、ワクワクする仕事が舞い込んできました。

経歴に固執せず、広めの条件で設定しておけば、思いがけず「これ楽しそう!」と思える仕事に出会えるかもしれません。せっかく大きく決断して大きく動くなら、あまりこだわりすぎず、広く構えておくのがおすすめですよ。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
荒井 勇貴

「現職に不満はないけれど、不安はある」「どうしても転職しなくてはいけないという状況ではないが、自分の市場価値が知りたい」とご相談くださった澤井さん。お話してみると生産技術、新規開発と豊富な経験をお持ちで、明るさと元気さが伝わってくる魅力的な方でした。

特許取得経験もあり、やりがいも大きかったということで、ヤマザキマザック社の知的財産職にご興味を持たれ、すぐにご応募いただきました。現在も同社の人事担当から、ご活躍の様子を伺うたびに嬉しく思います。今後のご活躍も楽しみにしております。

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